無尽蔵ブログ

mujinzo.exblog.jp

答えは、ひとつじゃない。

秩父探検



さーて、前回のブログから1ヶ月以上経過してしまった。
時が経つのが早すぎるよね。
もっと時間がゆっくりと流れてくれればいいのに。

そう、奥秩父のように・・・・・
d0078279_23364893.jpg




今回、GWで実家に帰省するあたり、時友である最多までなんか遊ぼうって思っていた。
埼玉県民ではなくなった今、改めて埼玉を見返してみたときに新たな発見があるんではなかろうかという希望に充ち満ちた企画意図です。

今回ターゲットとしたのは、ズバリ秩父。
海のない都道府県である埼玉県として、海系を攻めることはできないので山系に大きく舵取り。
足尾銅山とまではいかずとも、壮大な廃鉱なんかないかなーって4月の終わりに探し始めた。


探してみると、あるんだね埼玉にも。
廃村とか、廃墟とか、廃鉱とか。
「ニッチツ」というやばいスポットも検索している中で見つかったけど、まずは石灰やセメントの工場を見物しようと思い、高校時代からの友達カミズム(仮名)を誘って探検に行ってまいりました。



実家を出発した時刻、朝の6時。
秩父への道は限られているので余裕こいて出発すると渋滞にはまり残念な結果が待っていると分かっていたので、思いっきり早い時間に出発しました。
そしたら、全然道が混んでいなくて、あっちゅー間に秩父に到着。

まずは太平洋セメント(旧秩父セメント)の工場を見物。
公式な見学申請とかしてる訳ではないので、基本的には公道から眺める「見物」です。


ずばり、でかい!!
初っぱなから大物がヒットしたので25歳の青年二人が早朝の秩父で工場眺めながら立ちつくす。。。
むちゃくちゃでかいタンクとか、長い管とか、基本的にスケールでかい。
この太平洋セメントに限らず、まさか工場が稼働しているとは思いませんでした。
そもそも日曜日だったし、GWだし、百年に一度とかいう不景気だし、セメント工場なんて16連休しちゃう類の工場かと思っていましたが、普通に工場を動かしていました。
これは真面目な意味で意外。最低限工場を動かしてないと都合が良くないのかもしれんね。
ゼロの状態から再稼働させるには、本稼働するまでに一定の時間が必要、とかそういう理由。

チチテツ(秩父鉄道)の線路も直結されているこの工場。
そもそもチチテツは秩父の住人が移動するためと、秩父の鉱産物を輸送するのが主目的であったはず。
だからチチテツに対する太平洋セメントの態度というか関係性が、すごい大きいんだよね。
チチテツなんて基本的に単線だけど、この工場の付近は10本くらいレールが敷かれてる。
ものすごく工場に都合がいいようにレールが敷かれてるように思った。


太平洋セメントの工場を離れ次なるスポットへ。
次は三菱マテリアルの石灰工場。
もともと地元企業である太平洋セメントに対して、全国規模の財閥系企業三菱の工場。
この工場がすごいのは、石灰石を掘っている武甲山から長ーーーい専用管を工場まで敷設しているということ。
これがめちゃ長い。
山の中にこんなもん一企業が敷設したかと思うと、そのダイナミックさに圧巻。。。
ただし「絶景スポット」と言えるような角度で工場を眺められる場所がなく、滞在時間短かったな。



我々一行はさらに山奥へ。
武甲鉱業という、いかにも地元企業って感じの石灰工場を見物しながら山奥へ進んだ。
車がじゃんじゃん通っている道ではないので、「スゲー、ここは絶景スポットだ」みたいな場所で車を止めては工場見物をして写真を撮っていた。
二人してこのノリだったのでめちゃめちゃ楽しかったが、2週間くらい経って考えてみると、なかなかクレイジーな行動だったなー。

「延命水」という縁起よさげなわき水を求めて山奥に行っていたんだけど、突如アスファルトの道がなくなりオフロードとなった。
とりあえずオフロードになる手前のところで車を止めて「こりゃ引き返さんといかんのかな」と相談していたら、タクシーがそのオフロードに突入していった。
「!!」
なぬ、この道は入り込むのが普通なのか?!
そこへ見知らぬおっさん登場。完全な地元民で沢釣りしていたらしい。
おっさん曰く、このオフロードは普通に来るまで突入することができて、登山道の入り口付近には駐車場もあるらしい。
そしてその駐車場で道を折れて進んでいくと、通行止めの看板があって、その看板をどかしてさらに進めば鉱山をどーんと眺められる場所に出られるらしい。
ちなみに通行止めの看板があるのは、その道を山の向こうの村まで通そうとしていたんだが予算がなくなってその道の建設計画が頓挫してしまったかららしい。
つまり、最終的には行き止まりだけどある程度だったら車で相互通行できるくらいの道幅あるらしい。

このおっさんやばい。
俺たちにとっては最高の水先案内人だった。
という訳で、目の前にあるオフロードに突入。
いやー、オフロードでした。乗用車で突入する道じゃなかったな。
たしかに駐車場もあってそこを折れるとけっこうな道幅の道が続いた。
が、もしそのおっさんのいうことがでたらめで、いきなり行き止まりになってしまったら、バックでこのオフロードを引き返さなければならないという鬼のような恐怖に駆られ、途中の空き地に車を停めて徒歩で攻めることにした。
おっさんの言うとおり、途中で通行止めの看板を発見し、歩きだったからそれをどかすこともなく進んだ。
しかし、その先はすごい危険だった。
さすが、建設計画が頓挫した林道。至る所で土砂崩れが放置されていた。。。。
車を停めたのは正解だったようです。
ガードレールだけはだいたい作られてたなぁ。
山の斜面を埋めるように作られたコンクリートの壁や金属のネットもあった。
あとはアスファルト敷き詰めれば道としては成り立つはずだったけど、その直前でお金なくなっちゃったのね。
でも結局お金なくなっちゃった道なので、土砂崩れは放置され、道の真ん中に巨大な岩が転がっていたりした。
今でも全く信じられないのは、このとき反対方向からカブ(バイク)に乗った別のおっさんと交錯したこと。
このおっさんは何目的でこの廃道を攻めていたんだろうか。
それとも俺たちが到達しなかった山向こうの村からやってきたのだろうか。
完全に謎です。



巨大工場に続いて岩石の転がる廃道を歩き、午前中にして俺たちお腹いっぱいになってしまった。。。
普段の生活じゃ全く目にしない光景を立て続けに見てしまったもんで。。。



ランチで蕎麦を食し、浦山ダムへ。
浦山ダムはちょっとしたレジャースポットと言えるポップなダムでした。
ダムの役割やダムの仕組みを紹介した資料館とか、ダムをしたから上まで階段で上れたりとか。
「○○すれば願い事が叶う」とか「××すれば恋が実る」とか、スーパー胡散臭い置物があったりとか。
さらに酒蔵見学などをしたんだけど、朝早く出てきたせいもあって、これだけ遊んでもまだ2時過ぎだった。


だから、行くことにした。



ネットで見る限りかなりやばいスポットとして紹介されていた、ニッチツへ。





秩父の街から少し外れたところにある酒蔵の駐車場でナビ検索。
住所はちゃんと覚えていなかったけど、だいたいの位置と郵便局のマークで場所を推定。
約1時間の道のりという検索結果。
しかし、このナビ検索結果の道が半端じゃなく山道でした。
切り立った断崖絶壁の縁を走るような道が続いていて、これまた途中で引き返したい気持ちにもなったんだけどUターンするスペースもなく、ナビられるがまま進むしかない状況。
ある意味、この山道が一番の「絶景スポット」だったかもしれない。
ナビられたみちはさすがにお金なくなって建設中止になった道ではないんだけど、小さな崖崩れの痕とかはちらほら見られた。
てゆーか、道の下側にある斜面で土砂崩れが起きて、アスファルトが歪んでるっていう場所がいくつもあって、これがやたら怖かった。
そんな山道を登ること1時間近く。今度は一気に下り坂となった。
山道の途中からは本当に道だけで、家や店は全くない状況が続いていたんだけど、下りになった時点でまた変な雰囲気が漂っていた。


こんなとこ下っていって何があるんだよ?と疑いたくなる道。

でもナビられてるし引き返すこともできないから進むしかない道。

そしていきなり道ばたで視界に入ってきた巨大な廃屋。

着いた。

ここだ。



かなり保存状態の良さそうな廃屋。
これはもともとニッチツの工場労働者のための社宅として作られたものだけど、それがスッカラカンになって廃屋となったもののはずだ。
そんな建物がこの道の両側に続いていた。

車を降りて、いくつかの写真を撮った。


この場所の雰囲気は、きっとブログじゃ伝えられないんだけど、頑張って書きます。


空気が、沈殿していた。
風は吹いていたのかもしれないけど、全くそれは感じられなかった。
ナビ検索結果に出てくる道なので、ときどき車やバイクが通った。
どこか遠くの方で、沢の音が聞こえた。
でもそれ以外、全く音がしなかった。
ホント、山間にできた社宅廃屋群と工場(現在も稼働中)。
俺らが到着したのは16時頃だったけど、日向はなかった。
空気が、沈殿していた。
分子の移動がほとんどなくて、風もなく、静まりかえった山間の超僻地。
その沈殿した空気の織りなす雰囲気に呑まれ、俺たちの会話する声のトーンも、ひそひそ話のようになってしまった。

「着ちゃったね」

たしか俺が吐いた言葉だけど、強く印象に残ってる。
まさに、そんな場所だったんだ。
足尾銅山に似たところがあるんだけど、足尾の方がまだ明るい。
この静まりかえったニッチツの工場・社宅廃屋群の雰囲気に比べたら、足尾の方がまだ明るい。
きっと何十年か前は、社宅や工場も大勢の人がいて賑やかだったんだろうけど、今はこの静けさ。
時が進むのをやめたかのように思えるところも、空気が沈殿していると感じられた一因だと思う。

この廃屋に入ったら確実にバチが当たる気がして、まもなくその場を去ろうとした。
そのとき、小さな倉庫のような建物の近くにダイドーの自販機を発見。
ここらへん一帯で最新のアイテムかもしれない自販機。
ダイドー特有の当たり付き自販機だ。
なんかこの自販機に救われた気がして、俺たちはジュースを即購入。

着たときと同じ道を通るのは勘弁してほしかったので、そのまま道を進んだ。
そしたら、秩父と山梨を結ぶ国道にぶつかった。
こっちから来たかったーーー。
帰り道、俺たちは言葉を失っていた。
自分たちがたった今目の当たりにした光景があまりにも衝撃的すぎて、消化不良を起こしてるような感じ。
俺個人としては、「来たことは後悔しないけど、もう来たくない」と思っていた。
映画でいうなら「ダンサー・イン・ザ・ダーク」や「リリィ・シュシュのすべて」と同じ感覚。
この二つの映画を見たことは強く感動したんだけど、相当のことがない限り二度と観ません。

秩父の街が近づくに連れて、賑わいが増してきた。
車とたくさんすれ違う。
電柱がある。
アスファルトがある。
家がある。
店がある。
人がいる。
空気が、躍動している。

マクドナルドに入ってクオーターパウンダーを食べた。
なんてポップな食べ物なんだ!!!!


19時頃に地元へ帰ってきた。13時間の大アドベンチャー。
二人とも埼玉で生まれ育ったけど、こんな体験初めてだった。
夕ご飯食べたり、呑んだりしようかとも思ったけど、既に俺たちお腹いっぱいだった。

帰宅する頃には、俺は俺なりにニッチツでの体験について消化できはじめていた。
たしかに初めは「二度ときたくない」って思ったけど、いつかまた行こうかと思う。
あそこなら池袋→(西武秩父線)→秩父→(レンタカー)→ニッチツという行き方で、東京からでも1dayアドベンチャーに行けるはずだ。
もう少し下調べもしたりして、ちゃんと心の準備ができてから、再びトライしようと思う。


写真は、いつものごとくPicasaにあります。

まだまだ俺の知らない埼玉があるはず、これ無尽蔵。
[PR]
by mujinzo | 2009-05-15 23:34