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無尽蔵ブログ

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答えは、ひとつじゃない。

2011年を、越えていく。

クリスマスの話と、2011年のまとめ的な話。

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2011年のクリスマス、それは忘れられないものになりました。
トップ画像になっているのは、岩手県遠野市で撮影した朝の風景。
気温-6度。。。。キーーーーンと冷えきった朝でした。

メディアからの注目度が高いイベントでしたので
多くのテレビカメラや記者がいました。
実際オイラも東京新聞の記事にも載ったりしました。


被災地にサンタクロースがやってきた。

すっげー聞こえの良いイベントですが、中身は非常に厳しいものでした。
正直言って、瓦礫の除去作業をする方がよっぽど楽です。
まさかこんなに(精神的に)疲れる作業になるとは思いませんでした。

サンタとして訪れた先は津波のニュースでよく出てくる町
大槌町、釜石市、大船渡市、陸前高田市など。
陸前高田に行きたかったけど、残念ながらまたの機会。
オイラは大槌と大船渡に行きました。
大槌では仮設住宅に、大船渡では集会所に行きまして
そこで現地の人らにプレゼントを配って回るという作業です。

テレビのニュースで見た方も多いかと思いますが
テレビのニュースに写っているのは、サンタにプレゼントを貰って
ワーワーキャーキャーテンションの上がった子供たちや
お茶っこ(お茶会)しながらお菓子(プレゼント)に舌鼓をうつおばちゃんたち。
たしかに、そういう光景に自分も出くわしました。
だからそれは、何のでっち上げでもなく事実です。

でも、そうゆう人だけじゃないってことを、知ってほしいです。

仮設住宅を訪れる。
二重扉の外扉をノックする。
コン、コン、コン、「こんにちは。サンタでーす。」
テンション上がる子供たち。
にこやかに応対してくれるおばちゃん。
「寒いですねぇ」と軽くお喋りして隣のおうちへ。

仮設住宅を訪れる。
二重扉の外扉をノックする。
コン、コン、コン、「こんにちは。サンタでーす。」
無音。
しばらくして、爺ちゃんが出てくる。
プレゼントを受け取り「ありがとうございます」とお礼。
すぐに内扉を締める。

仮設住宅を訪れる。
二重扉の外扉をノックする。
コン、コン、コン、「こんにちは。サンタでーす。」
無音。
無音。無音。
灯りはついてるけど、居留守??
「プレゼントを置いて行きますねー。」
と言い残して、隣のおうちへ。

どれも、事実です。
『ここまで津波が来て大変だったのさ〜!』と
自ら地震体験を話してくれる人もいれば
仮設住宅での新しい生活に適応することが難しかったり
地震のショックから引きこもりがちになっている人もいます。
そうゆう人たちみんなに、プレゼントを持っていったのです。

オイラの作文能力ではこれ以上詳しいことを書くことができないのだけど
そうゆう人もいるし、そうゆう人とも別け隔てなく応対しなければならないこと
そうゆうことが今この日本に存在していることを
この無尽蔵ブログを通じて皆さんにお伝えしたかったです。


それと、まだまだがれき撤去の仕事は残っています。
今回、もうひとつ驚いたことはこの瓦礫の残り方です。
大槌を目指す道の途中、釜石の町を抜けたのですが
まだ津波にやられたまんまの姿で残っている建物が多く存在しました。
いままで、オイラは石巻を拠点とするピースボートに参加していたのですが
石巻は『だいぶ綺麗になったなぁ』といえるほど瓦礫の撤去は済みました。
でも、釜石の町にはまだまだ多くの瓦礫が残っていて
瓦礫の撤去作業と、信号などの敷設作業と、営業を再開した飲食店などが共存していました。
これはこれで衝撃的だったし、とても複雑な気持ちになりました。
すごくミーハーな言い方かもしれませんが、この格差に愕然としてしまいました。

一方では瓦礫の撤去作業を続け、もう一方では仮設住宅への支援を続け
更にもう一方では在宅(自宅が無事だったので、家にいる被災者)の方々への
支援を模索しなければならない、そうゆうとっても複雑な状況が、いまの東北です。
最初は、人命救助や食料の供給がメインでしたが、いまは違いますね。
必要とされている作業の内容がとても多様化してきていて
そのひとつひとつの進捗はとても小さなものになっています。

そうそう、いろんな意味での格差が広がっていることも実感しました。
仮設住宅に住んでいる人は、何らか(主に住居)被災したわけです。
仮設住宅に住んでいると、外から見てもそこには被災者がいると分かり
支援の手を差し伸べやすい。
一方で、在宅の被災者は、どこにいるかよく分からんのです。
家はある。でもそこに人が住んでいるかどうかは分からない。
もしかしたら空き家かもしれないし、もしかしたら引きこもりかもしれない。
はたまたもしかしたら高齢の障害者で外に出ることができないのかもしれない。
仮設住宅には家財道具や食料などの支給が定期的に行われるが
在宅の被災者へのサポートは皆無に等しいのが実態です。
だから、人によっては『私の家も流されてしまえばよかった』と言う人もいるのです。
地震が起きて、津波に襲われ、自宅が無事に残ったことを逆に恨むってゆう。。。

辛いです。ホント、辛いです。
でも、約30年生きてきて、いろんな体験をして、こうゆうこと総てを
まずはまっすぐに受け止めることはできるようになりました。
きっと、10年前ならできなかったと思います。


あと、批判になってしまいますが・・・・
今回参加した遠野まごころネットというボランティア団体について。
名前は以前から知っていたので、ピースボートほどじゃないと思いますが
それなりに大きな支援団体の一つだと思います。
でもさー、段取り悪すぎ。。。。
一人の一般参加者であるオイラが、いろいろ運営で頑張っていた人たちを
偉そうに批判することはできないとは思いますが、それにしても酷かったです。
人数の割り振りとか。
150人くらいいる人達を、10チームくらいに分けるにあたって
『女性を一人こちらのチームへ』とか必要か??
そのチームに女性が一人しかいないとかそうゆう状況ならまだしも
1チームに10人くらいいる状況の中で1人少なくてもなんとかなるでしょ。
ボランティアとしてきている以上、10人チームの1人が減ったくらいなら
なんとかカバーできる人が集まってるわけです。
でもそうゆうところに執着して、朝の朝礼が遅れる。
朝って、さっきも書いた通り-6度とかそうゆう環境で無為な時間を過ごすのは
参加者にとっては苦痛でしかないと思いました。
また、何の前触れもなくラジオ体操の音楽をブッ込みで流して何が面白いの??
みんな流れに合わせて体操していたけど、少し広がるとか事前説明あるべきじゃないっすか。
ラジオ体操やったの3日目だけだったのも謎。毎日やっていいと思うのになー。
バスに乗って、そのバスのバスリーダーの人が今日の作業内容分かってないとか。
バス移動の途中でバスを降りてもう一回チーム編成やり直すとか。
名札作らないからボランティア同士がいつまでたってもギクシャクしてるとか。
ざっと書き綴っただけでもこのくらいの不満は出てきます。

事務局として奔走していた方々は本当に頑張っていたのだと思いますが
3日間参加した一般参加者の一人としては、段取りの悪さにイライラしていました。
その点、ピースボートとは圧倒的な差を感じてしまいました。
三陸地域へのサポートが必要であることは痛切に感じましたが
遠野まごころネットを通じて参加することは、正直微妙ですね。


と、そんなクリスマス。
いままで体験したクリスマスの中でもとても異色で印象的。
『心に残る』『考えさせられる』という意味ではダントツ1位のクリスマスでした。


東北地方へのサポートは、これからも当分の間必要だと思います。
オイラは、災害ボランティアという手段を選び
被災地を訪れて直接的なサポートをすることをしています。
他にも、いっぱいあります。
インターネット経由で東北の酒屋からお酒を買うのも立派なサポートです。
旅行で東北を訪れ、現地でご飯を食べたりおみやげを買うことも立派なサポートです。
オイラはきっと2012年も時間を作っては東北を訪れ
いろいろな形でのサポートを続けていきたいと思っています。



さて、そろそろ締めくくり。
以前のブログでも書きましたが、この2011年はいままでの人生で最も充実した1年でした。
初めてHarpOnMouthSextetを聴くことができた。
MouseOnTheKeysのようなインストロックの世界にも手を出せた。
長崎をチャリ旅することもできた。
GWに訪れた石巻を皮切りにしたボランティアを通じての新たな経験と繋がりは
これから先のオイラにきっと大きな影響を与えると思います。
DJとしては、「DJ MIXとパフォーミングアートの融合」とゆうオイラの大目標を具現化したようなイベントMirrorballCircusに参加することができた。
フォトグラファーとしては旅や被災地の寫眞だけでなく猫道一家の新作を撮影することもできた。
愛機NikonD80を買ってからもうすぐ5年。1万ショットを超えました。
フジロックにも初めて行って、絶対2012年も行こうと思うくらい気に入ってしまった。
twitterfacebookを通じて新しい情報や交流を盛んにできた。
スティーブ・ジョブズ、レイ・ハラカミ、松田直樹、立川談志、多くの著名人の訃報を聞き
時代が大きく揺れ動き新しい時代に向かってるって勝手に実感しました。


2012年は、ついに30代に突入します。
カッコいい30代ってどうあるべきか、まだ全く分かりませんが
これまでと同じようにアクティヴでアグレッシヴな生活を送りたいです。
まずは残された約8ヶ月の20代を、思いっきり謳歌します。

無尽蔵ブログを読んでいただいているすべての皆様が
贅沢でなくとも幸せでハートフルな1年の締めくくりと新しい1年の始まりを
迎えられることを心より願っています。


2011年、ありがとうございました。
2012年、よろしくおねがいします。
by mujinzo | 2011-12-31 14:41

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